教えて!モンテさん

ベテラン営業マンが語る、トマトヒストリー。
1番おいしいのはどれだ?の巻

2022.01.17

エリナちゃんのイメージ画像 ラーモイタリア(2022年9月よりカ・モンテ オンラインにショップ名変更)を運営する、モンテ物産の新入社員二年生、エリナちゃんが、部署の垣根を越えて色々な先輩に自社の商品について教えてもらうという、この企画。
エリナちゃんのお勉強に、読者の皆様もお付き合い。イタリアの食文化を深く楽しもう!!

エリナちゃん

新田先輩、お疲れ様です!まず、簡単に自己紹介をお願いします!

新田先輩

川田先輩とトマト缶の写真 新田と申します。モンテ物産に入ってかれこれ営業を30年くらいやってきました。東京~名古屋~東京に戻ってきて、レストランやホテルを中心に担当をしていました。
今年からは、最後のご奉公として(笑)国内開発チームで商品開発をやっています。もうすぐ引退になるので、経験を活かし、そういうお手伝いができれば。

エリナちゃん

今日はトマトについて教えていただけるとのことですが・・・

(モンテ物産ではトマト缶、瓶入りや軟包材の裏ごしトマトなどを一括して「トマト」という言い方をします。)

新田先輩

元々ホールトマトしかなかったんだけど、「トマトの商売は博打だ」って創業当時の社長は言ってたよ。

エリナちゃん

え!!博打!?価格の変動とかがあるんですか!?

新田先輩

いや、それはないけど、トマトって農作物で1年に一回しか収穫できないから、1年分を1回で購入(契約)するんだよ。もちろん何度かに分けて持ってくるんだけどね。向こう1年分、どれくらい売れるかわからない、余るか、足りなくなるかわからないから、博打ってこと。

エリナちゃん

おおお、ビッグビジネスですね~!

新田先輩

トマトの種類も、俺達が入社した頃は“サンマルツァーノ種”って教わった。イタリア独特のナスビ形、長形で、皮が薄くてソース用に向いていると。

エリナちゃん

サンマルツァーノってどこにも表記されてないですが~、、

新田先輩

自然交配してしまうから、元来の種はなくなったって言われてるみたい。ずっと品種改良もしてきたりとか。だから今はサンマルツァーノタイプって言う。それから「トマトの水煮缶」ってよく言うけど、これは誤った表記。

エリナちゃん

水煮ではないんですか~?

新田先輩

トマト缶の作り方を簡単に説明すると、収穫されたトマトが工場に入ってきて、洗浄、選別、スチーム(高温の蒸気)をかけて皮をむく。また選別して、缶につめる。少し未熟だったり、サイズが小さいものは煮詰めてジュースにする。そのジュースを一緒に充填して、熱で殺菌。

エリナちゃん

100%トマトってことですね!

新田先輩

そう、トマトとトマトから作ったトマトジュース、まあ、あと缶詰だから保存料としてクエン酸は入ってるけど。そういう工程だから、水煮という表現は正しくない。よろしいですか?

エリナちゃん

(ドキツ!)はい、大丈夫です・・・。

新田先輩

工場の生産ラインの写真 農産物だから毎年出来に多少のバラツキが出るけど、なるべく高い品質を保てるように、収穫の時期数ヶ月は現地に社員が赴いて、交渉や指示、工場の生産ラインの確認などの管理を徹底するんだよ。
完熟していて、しっかり育っている良いものを選んで、多少高い物でもいいから買えと。

エリナちゃん

そういう妥協のない努力が、この商品のロングセラーの理由なんですね。

新田先輩

昔は、スーパーでもトマト缶はあまりなかったんだよ。百貨店の催事とかで出店すると、滅多に買えないからってトマト缶を箱買いする人が結構いた。それだけイタリア料理がメジャーじゃなかったって言えると思う。日本でパスタって言ったらスパゲッティで、ナポリタン(ケチャップ)のイメージ、あとはミートソースかな。もともと戦後、イタリア移民のアメリカ人が駐留しているときにケチャップと、スパゲティを持ち込んで食べていて~そこから広がっていったという風に言われているよ。

※パスタの日本への伝来については諸説あります。

エリナちゃん

イタリアからアメリカに、そして日本に来て、そしてまたイタリアに戻る感じですね!

新田先輩

ケチャップって甘いじゃん?和食は料理に砂糖やみりんを使うから、そういった意味では日本人の味覚に合ったんだろうけど、近年の健康志向とか色々で、ケチャップからトマト缶に移行したって感じかな。有名なことわざに「トマトが赤くなると医者が青くなる」ってある。イタリアではPomo d’oro (ポモドーロ)⇒金のりんごって言う意味だよね。それだけ栄養価も高いんじゃないかな~。

エリナちゃん

なるほど~。長い間営業されてきて、苦労されたことってありますか?

新田先輩

昔は「使い方がわからない」ってよく言われたよなー。「酸味が強い」「酸っぱい」って。それでHow to Cook&How to Useを掲げて、俺たちは“啓発活動”って言って使い方を説明していたな。「酸っぱい」って言われたら「玉ねぎ入れたら甘くなるでしょ」とか。そしたら「原価が上がる」って言われたりな(笑)。

エリナちゃん

それではトマトはその当時売れ残ったりもしたんでしょうか?

新田先輩

最初に話した通り1年に一回しか買えないじゃない?缶詰だから日持ちするとはいえ、去年のが余っちゃったりして、次のトマトも来るってなって、サルサ・ポモドーロ(トマトソース)っていう商品が生まれたりした。今はもちろん違うけどね、トマトソース用にトマトを買い付けてる。それでも、なぜイタリアのトマトにこだわっているかというと、煮込んでも酸味のバランスが良い。ある程度、酸味がないと料理って美味しくないじゃん。

エリナちゃん

そうですね、たしかに酸味があるほうが、食事が進みますね。現在はこんなにラインナップが充実していますが、先輩のおすすめを教えてください!

新田先輩

やっぱりさー、健康を考えるならオーガニックだろうな、わかんないけど(笑)。オーガニックのトマト缶ってこれ以外ほとんど見ないよね。あとは、ホールとダイス(カット)の使い分け、すごい難しいけど。

エリナちゃん

ダイスとホール、どんな違いがあるんでしょうか?

新田先輩

トマト缶を持つ新田先輩の写真 そもそもトマトの品種が違うから味わいが違うけど、時短ならダイスだよね。俺の個人的な感想は、ホールの方がコクがあって、ダイスはフレッシュな感じだな。ホールの方が、色々な用途に使える。で、俺は個人的にはこれをよく使う、ダッテリーニ。すごく、美味しいから。あんまり煮込まないでパスタソースにする。パッサータ(裏ごしタイプ)は時短に凄い便利、甘味もあるし、お店っぽくなる。蓋がついてるから、使い勝手もいい。使いたい分だけ使って、残りはあとで別の料理に使うとか。女性とかは缶を開けることに抵抗ある方もいるから、いいと思う。コスパも悪くないんじゃない?でもなあ、難しいよなあ?ホールがあって、ダイスがあって、こう色々あって。

エリナちゃん

どっちが人気なんでしょうか?

新田先輩

ホールの方がお店ではよく見るよね。うーん、使い方ってさ、人それぞれじゃん?だから例えばお試しセットみたいなのを作ってみたらいいんじゃないかな?料理好きな方だったら、色々意見も出てくると思うし、ダッテリーニなんかは見たことない人もいると思うからさ。そのまま食べるとしっかりとした甘味を感じるしね。

エリナちゃん

おおおおおおお!それはナイスアイディアですね!(メモメモ)新田先輩がおうちで作るトマトソースのレシピってどういう感じですか?

新田先輩

ポイントは玉ねぎだけかな。オリーブオイルににんにくの香りを移してそこに玉ねぎのみじん切りを、炒めるっていうか、オイルを多めにして蓋をして蒸し焼きみたいな。弱火で焦げないように見ながらね。そこにそのままホールトマトいれるかな、加熱して木べらで混ぜていくうちに潰れていくしね。それで、一回冷まさないとだめ。冷めると味がのるから。フリーザーバックとかに入れて小分けして冷凍すると楽。味は料理に合わせてあとから決める。

エリナちゃん

美味しそうですね~!お腹がすいてきました!では最後に、ラーモイタリアのお客様に一言メッセージをお願いします。

新田先輩

モンテ物産創業以来、名前は変わったけどずーっと扱っている商品なので、自信をもっておすすめしています。イタリアの太陽と大地の恵みを味わってください。

※以前は「スピガドーロ」というブランド名でした。

エリナちゃん

新田先輩!貴重なお話、ありがとうございました!

あとがき

今回はトマトについて、創業当時からの貴重なお話を伺いました。
今でこそ、どこのスーパーでも目にするトマト缶ですが、昔はなかなか手に入らない商品だったとは驚きです!
まだトマト缶が一般的ではなかった時代から、イタリアの食文化を伝えようと、苦労して営業されていたお話が印象的でした。
新田先輩から教わったレシピで、「トマトソースのリングイネ」(ダッテリーニトマト×ディ・マルティーノリングイネ)を作ってみました!
シンプルながら、トマトのフレッシュな酸味と、玉ねぎの甘み、にんにくの香りが絶妙にマッチして美味しかったです!
トマト缶からパスタソースを作ると時間がかかるかも・・・と思っていましたが、「ダッテリーニトマト」を使うと、長時間煮込むことなくトマトソースが完成したのも嬉しかったです。

「ダッテリーニトマト」を使ったパスタソースで和えたパスタの写真

次回もお楽しみに!

今回ピックアップした商品

ダッテリーニトマト/400g 商品写真

モンテベッロ
ダッテリーニトマト/400g

440円 (税込)

商品コード : 2207

リングイネ(No.14)/500g 商品写真

ディ・マルティーノ
リングイネ(No.14)/500g

459円 (税込)

商品コード : 37012

※掲載記事の情報は2021年5月にラーモイタリアご購入者様へ配布した記事を元に作成したものです。

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